Charlotte(シャーロット) 第13話『これからの記録』

世界中の特殊能力を奪う有宇の旅。
次第に記憶をなくして行く有宇を見せられますと、本当に遠い所まで(と云っても物理的距離じゃないですが)来たしまったものだと切なくなってしまいました。
やはり治癒能力者もいたのですが、「戻る」事ではなく「前進」することで世界を変える方を選んだ有宇の決断が哀しいと同時に嬉しゅうございました。そう、少年は前に進まないと、ね。
有宇を「世界」に引き止めていてものが有利のくれた単語帳というのがまた実に。データでもないから消えないし、小さいから持ち運びの邪魔にもならないし。…私はこういった小道具の選択に創作者の凄さを思い知らされるのでございます。
この最終話を視聴しておりまして、せめてもう一話欲しいと考えたのは私だけではないはずで、そうすれば奪うことで苦しみ壊れて行く有宇の姿と、奪われることで壊れて行く善意の能力者(特に「治癒」の能力者の女の子)の悲しみを掘り下げて描けたような気が致します。
この葛藤ですとか苦悩が少し弱かったことが、有宇が「仕事」から解放された達成感を弱くしてしまったのではないかと。
それ以外は満足。
いや有宇が死んでしまった方が悲劇性は増し作品としてはまとまったのかもしれませんが、少年たちの未来が暗いままでは救いのない作品になってしまいますからね。
途中何度か救いのない方へ向かっていたようにも見えましたが、最終的に過去を変えることなく未来を手にし、有宇の旅は成功した。それでよろしいかと。
私の記憶に残る作品でございました。