グリザイアの楽園 第10話『ブランエールの種Ⅵ』

大団円。
本作は原作のエロゲとしての本領はほとんど排除されてしまっておりますが、その代わりキャラの魅力を最大限に見せることで作品としての価値を損なわなかったようでございます。
いや原作組はどう考えているのかは知らないのですが(笑)
確かに細部はかなり割愛されていたようなのですが、最低限意味は分かるように描かれておりましたし、割愛したことでスピード感は増しておりましたので、この辺は監督の取捨選択であり、少なくともおじさんは成功していたと考えております。
雄二という無敵のキャラを存在させたことでリアリティは失われてしまいましたが、誰もこの作品にそんなものは求めていないでしょうから問題はなし。
リアリティ云々を言い出せば女子高生がテロリストと五分に渡り合えるはずはないのですから(笑)
この作品は非情な世界の住人であるからこそ優しく生きる事を選んだ青少年たちの御伽噺。
御伽噺である以上最後はめでたしめでたしで終わらなければいけませんし、楽園を自分たちの手で作り上げるといったこれ以上の終わり方はございませんしね。
ゲーム原作のアニメ化は往々にして饒舌になりすぎるか舌足らずになってしまうか極端なのですが、この作品は丁度良いバランスで楽しく視聴することが出来ました。
監督以下アニメスタッフの手腕もあるのでしょうが、それも「料理」される素材の良さがあってこそ。両者にとって幸せな「結婚」でございましたね。楽しい作品をありがとううございました。