SHIROBAKO 第24話(終)『遠すぎた納品』

悪戦苦闘の果て「三女」最終話完成!というお話。
だからといって何が終わるわけでもなく、彼らのお仕事は現役を引退するその日まで続いて行くのでございます。…杉江さんのセリフではございませんがざっと40年位は(笑)
過去があって今があり、今頑張らないと未来もない。
忙しさにかまけてしまいますとこういった当たり前のことも忘れてしまいますが、遠い未来を夢見ているだけでなく「今」全力疾走することもやめてはいけない、…辛いなぁ。
さて全編の終了。
水島監督の「こうあったらいいなぁ」「こうあって当然じゃないか」「こうならなきゃ嘘でしょ!」という魂の叫びを具現化した楽しい作品でございました。
作中のムサニは働く環境としてはまさに理想そのものでございましたが、恐らくあの業界は平岡くんが潰されかけた方が実態に近いような気が致しますし、だからこそ理想郷としてのムサニには意味があるのかもしれません。
どんなに苦しい状況に追い込まれても全員で頑張り難局を乗り越える。そういう人間が集まる場所があってもいいはず、と。
そもそもアニメ業界のきつさはそこに飛び込まなくても知れ渡っておりますが、それでも業界に飛び込む人たちは何よりもアニメが好きな人たちのはずで、であればムサニが実在していても不思議はないのですけどね。
その場所を作ることが出来るのか。それが水島監督の本当のお仕事になるのかもしれません。
みゃーもりたち上山高校アニメーション同好会出身の5人はとりあえずスタートラインに立てましたが、夢はまだ遥か彼方でございます。
でもそこはそれぞれが今の職場で奮闘努力を惜しまず駆けていれば何時かはたどり着ける場所。そう予感させてくれた見事な終幕でございました。
この作品はアニメ業界といった特殊な職場が舞台となっておりましたが、仕事に対する取り組み方や考え方には特殊性はございませんでした。
真摯に頑張る。ただそれだけのこと。
それが水島監督を始め全てのスタッフからの若者達へのエールだったように見えました。
水島監督は二年先までお仕事が決まっているそうですが、お体を大切にして楽しい次回作を私たちに届けて下さいません。ほんとうに楽しい作品でございました。感謝!