残響のテロル #11(終)『VON』

成層圏で爆発する原爆、麻痺する都市機能、そして燃え尽きる命というお話。
物語と致しましてはきれいにまとまっていたと思いますが、最後までリサの存在理由が希薄に見えましてそこが残念でございました。
ハイヴのエピソードを丸々削ってその分リサのスピンクスに対する影響を大きくして、彼らが生まれてきた意味の象徴としてくれたらな、と。
目的を達成したからといって、それで二人や研究所で死んでいった者たちが救われたとも思えませんで、その救いをリサが与えられなければ彼らの本当の目的を成就したとも考え難く。
表面上はスピンクスの勝ちであり、死んでしまったとはいえハッピーエンドなのですが、救いを得られなかったように見えたのでバッドエンド判定(笑)
彼らの心象風景をもう少しだけ丁寧に描いて頂ければ、もっと余韻のある作品だったような気がいたしました。