ブラック・ブレット #03『運命の子供たち』

正体を知られて学校で孤立した延珠は、それでも彼らを守らなければならないのかと疑問を持つが蓮太郎の「守る」という言葉に救われる。そして二人は影胤に奪われたアタッシュケースを追うのだった、というお話。
この作品も救われない戦いを描いているという点では「極黒のブリュンヒルデ」と同系列なのですが、あちらが何処まで行っても救いがない物語なのに対して本作は人間たちにとって異物であり排除されている存在ではあるのだけれど対ガストレアという一点において「居場所」があるだけまだマシのように見えるのでございます。
戦いの中で傷ついたり死んだりすることがあっても、戦うことで生き残り「明日」を掴めるとでも申しましょうか。圧倒的な絶望感を感じないのもそれが原因かもしれません。
戦っても何一つ報われない展開であれば作品として真っ黒な未来を描けるのになぁ(笑)
人の本性を抉りだすことを目指しているのでしたらまだまだ甘いのかもしれませんが、多分作者はそんなものは目指していない正常な神経の持ち主なんでしょうね。
イニシエーターである延珠が特殊な能力を持っているのは当然として、何だ蓮太郎も「普通」ってわけじゃないんだ(笑)
それがガストレアに由来するものなのかそうではないのかは次回以降明らかになることでしょう、…多分。