シリーズセカンドシーズン 鬼物語 第忍話『しのぶタイム其ノ肆』

臥煙伊豆湖から「くらやみ」の正体を聞いた暦たち。それは暦たちに苦渋の選択を迫るものだった、というお話。
それは怪異ではなく調停官ですとかバランサーと云った存在で、戦うとか倒すようなものではないようでございました。
真宵の存在自体がこの世界の異物(怪異自体は存在が許される理屈が分かりませんでしたが)であり、排除するまで追いかけて来るし、それが無理ならその存在を知っている人間の方を排除してしまうのか。
西尾さんの力であれば真宵を救う方策くらい簡単に「でっち上げ」られるでしょうけど、同時にこの方はキャラの生き死ににあまり興味も愛着もなさそうですので(笑)、それでも「くらやみ」に飲み込まれる最期ではなく「成仏」を選んでくれただけマシなのかもしれませんが。
しかし怪異としての本分から外れているだけで排除されてしまうとは随分と息苦しい世界のように感じましたが、考えてみれば現実の世界も人と違うというだけで疎外されてしまいますので似たようなものなのかもしれませんね。
そして大した害にもならない非論理的な存在を世界の片隅にも受け入れる事を許さない「くらやみ」は、科学の発展とともに妖怪や幽霊や妖精を排除して回った人間の比喩だったのかもしれませんね。
そんな世界は豊かといえるんだろうか?
消えていった真宵を見ながらそんなことを考えてしまうのでした、…多分西尾さんは違うことを訴えたかったんでしょうけど、ね。