PSYCHO-PASS #22(終)『完璧な世界』

狡噛は填島との決着をつけ姿を消し、朱は治安局に残ったというお話。
最終回を視聴するまでは狡噛と填島の「正と負」の対立のお話だとばかり考えていたのですが、狡噛が決着をつけた後に描かれていたものを眺めながらそれだけではなかったのだと考えを改める。
虚淵さんの関わった作品は「魔法少女まどか☆マギカ」「Fate/Zero(これは原作だけ)」と本作の3本しか知らないのですが、常に作品の中心に女性が居た印象でございまして、本作におきましてはさらにその重要性が増しておりました。
弥生と志恩のベッドシーン(!)の会話がそれを端的に表しておりまして、あそこで男性陣はボロクソに評されていたこと、そして全てを知った上で朱がシステムの内部に留まったことから女性の強さと柔軟さを描いていたのだと思うのでございます。
システムに反発した填島と狡噛、システムに飲み込まれた宜野座を始めとする男たちに対して、内部に留まりながらいつかシステム自体を変えることを決意した朱。勝者と書いていいのかどうかは分かりませんが、少なくとも戦いを止めなかったのがどちらかは明白でございます。
目の前の事で満足してしまう男と遠い未来を見る女。未来の社会の仕組みの危うや善悪に対する考察以前にその対比を描きたかったのではないかと、虚淵さんの過去の作品を振り返って行きついたこれがおっさんの結論でございます。