ソードアート・オンライン #3『赤鼻のトナカイ』

キリトが参加したギルド「月夜の黒猫団」が、不注意から全滅してしまったお話。
見ず知らずの一万人の死は数字にしか感じませんが、目の前の仲間一人の死は切実という不条理なお話でございまして、キリトの感じる痛みというものを描いておりました。
それはそれといたしましまして、3話まで視聴して感じる事はゲームの中に閉じ込められたプレーヤーたちの焦燥感というものが伝わって来ない事と、「内部」だけを描いているため物語に広がりを感じられない事でしょうか。
モンスターに負ければ死ぬという設定は良いとして、ゲーム内に長く閉じ込められることで現実世界の自分たちの状況が分からないのですから焦りというものが描かれていても良いようにか思うのですが、イベントを楽しむ余裕があるプレーヤーも存在しておりましたし、これはどうなのかと。
そして昏睡状態にある現実世界の彼らを救おうとする人間の存在が全く描かれない事にも違和感を覚えております。当然外部の人間は右往左往している事でしょうし、多少はそちらも描いても宜しいのではないかと。
物語の視点を固定(キリト視点)するのは読者や視聴者を「ソードアート」の世界に「閉じ込める」意味もあるのでしょうが、現実と隔絶した彼らの生き様だけを見せられてもなぁ、というのが此処までの正直な感想でございます。