坂道のアポロン #01『モーニン Moanin'』

1966年、横須賀から長崎へ転校した西見薫は周囲の好奇な目に耐え切れず、自分の落ち着ける場所である屋上へ向かい、そこで札付きのワルと恐れられている川渕千太郎と知り合う。さらに同級生の迎律子の家「ムカイレコード」の地下室で千太郎が叩くドラムを聴いた薫は、というお話。
監督渡辺信一郎、音楽菅野よう子と、この作品を作るうえで最適なスタッフを得たことは本作にとって幸せなことでございますしょうね。
初回最大のミッションは、如何にして視聴者にワクワクした感情を抱かさせるかだと考えておりますが、ラストの坂道を軽やかに下って行く千太郎の後ろ姿を見て薫共々「その先」に想いを馳せさせて下さいましたので大成功だったかと。
それにいたしましてもCGというものの進歩には驚かされますして、千太郎のドラムシーンは(モーションキャプチャも併用しているのでしょうが)少し前のアニメで一番違和感があった演奏シーンが十分鑑賞に堪えうるレベルまであがっていたかと。
もちろんまだまだ実写のソレには届いてはおりませんし、改善の余地はあろうかと思うのですが、進歩していることが重要でございますので現段階ではあれで十分。あとはカット割りやら演出でもっと効果がでてくるでしょう。
音楽が作品の内容に深く関与しそうな作品でございますので、演奏シーンは大事ですからね。
それと既存の音楽を使うというのも良いですね。曲の評価が定まっておりますので「これは素晴らしい曲なのだ」と脳内補正しないですむのも助かります。