偽物語 第七話『かれんビー 其ノ漆』

かれんビー」編終了。
Aパートはアクション巨編でございまして、かつてこれほど派手で迷惑な兄妹喧嘩があったでしょうか、いやない!(反語)というくらい力の入った画面でございましたが、そのせいでここで語られていたものが全く頭に入って来なかったという弊害が(笑)
結局阿良々木くんが火憐ちゃんに伝えたかったものは「付け焼刃な正義を振りかざすのは止めなさい」という事だったでしょうかしら?
事の善悪を判断する時は良く考えて結論を出すか、人生経験を積んで確固たる信念を、あるいは強固な意志を持った時しなさい、かな? …上っ面だけを見て首を突っ込むのは止めなさい、だったかもしれませんが(笑)
ここでは「怪異」というもので現されておりましたが、作者はそこに人生訓を込めていたんじゃないかと、考え過ぎか。
でも阿良々木くん(作者)は妹たちのその心の在り様自体は否定するどころか大切にしたいようで、だからこそ尻拭い上等!と語っていたのだと思いましたよ。
Bパートは貝木との対峙。レイアウトと演出だけで見せてくれまして、これまた話が頭に入ってまいりませんでした(笑)
貝木の喋る事全てが嘘であり本当でもあるというところがポイントなんでしょうね、真実はひとつじゃない!とでも申しましょうか。
これも実生活ではよくある事でございまして、だからこそそれを見抜く目というものが大事なんだという、大変ありがたい教訓が含まれていた…、のかもしれません(笑)
本作の場合、そういった暗喩が実体化してキャラとして登場しているところが楽しかったり分かり辛かったりいたしますが、今回の場合の「貝木」という存在も世間にありふれた「嘘」「噂」を具現化したものだったのかもしれませんね。
だから戦場ヶ原はもう一度貝木の前に立たなければいけなかった、と。
貝木の嘘に振り回されて、止まってしまっているガハラさんの中の時計の一部をもう一度動き出させるために、自分自身で過去と対峙する必要があったのでしょう。
貝木が「つまらない女になった」と言ったのは、ガハラさんが成長して確固たる自我を獲得してしまい、嘘の具現者たる彼からすればもう「遊ぶことができない人間になってしまった」からではないでしょうかねぇ。
その原因は言うまでもなくガハラさんには愛する男が出来たからで、愛を知って女は強くなるという阿良々木くんにとって嬉しいのか恐いのか分からない結末でございました(笑)