C3-シーキューブ- 第十一章『狂信者は何処かにいる』

アリスの襲撃で分断された春亮とフィア。春亮は黒絵・錐霞と共にアリスに捕えられてしまい、というお話。
うん、田中理恵さんの熱演は見事だったのですが、前半の大原さやかさんの熱演ともかぶっていたように感じられた処がなんとも。
つまり前半の「悪役」ピーヴィーと後半の「悪役」アリスのキャラの精神構造に差異があまり感じられないように見えてしまったのですが、これは作品の構成として上手くないんじゃないのかなぁ。
勿論最終的に悪役なんてものは狂気に支配されてしまっていた方が「扱い易い」のでしょうが、連続して(厳密に言えば途中に「サヴァレンティ」のエピソードがございましたので「連続」ではないのですが)似た様なキャラを持ってくるというのは「芸がない」ような気がしております。
それと狂気に支配されたキャラというものは自分だけの独特な世界を作ってしまいまして、上手く扱いませんとメインキャラとの接点というものが希薄になってしまいまして…、簡単に書きますと物語から「浮いた」存在になってしまう危険性がございます。
本作の場合、主人公たちも「狂気」を内包しておりますのでお互いがそんなに浮いているとは考えにくいのですが、あれですね、ゲスト悪役の方が勝ち過ぎているように見えちゃうところに若干問題があるんじゃないかと。
主人公たちの「狂気」をもう少し描いていればバランスとしては適切だったのかもしれませんね。
なんと次回最終回!…色々と「積み残し」が多くなりそうでございます。