Fate/Zero 第八話『魔術師殺し』

キャスターVSセイバー・ランサー戦はキャスターの戦術的撤退で中断。切嗣VSケイネス戦は切嗣の完全勝利寸前でランサーがケイネスを回収で中断。アイリスフィール・舞弥VS綺礼戦は綺礼勝利するも「止め」を確認せず、アイリスフィール組かろうじて難を逃れる、と。
選りすぐりの英霊たちが戦っているのですから、簡単に決着がついてしまっては面白くありません。「この時代」で初めて剣を交えることでそれぞれの間に「因縁」を作りそれを背負って再戦となるといった構成は、単純なはずの(英霊たちの)戦いに複雑な別の意味を追加して決着までに重みを増しております。
当ダイアリーで再三「尺が」と書いておりますが、短ければダメで長ければ良いといった単純な事ではございませんで、それぞれの作品に応じて適切な「尺」があり、その与えられた時間をどれだけ有効に使い切るかという事を「尺」と書いております。
本作の場合、各所の戦いは実に短く感じられますが、その濃度は高く、使いきれていない事に対する不満が全くございませんことは「尺」を有効利用している証左でございましょう。
同じように各話におきまして描き切れていない、あるいは間延びしたものを感じないのも尺を使い切っているからでございましょう。綿密に練った構成だからこそ毎回短く感じてしまうのでしょうね。
綺礼が顔色一つ変えずにアイリスフィールを刺すシーンに戦慄す。
まあ戦場で自分に向かってくる者は敵なのですから、そこに女子供は関係ないにしても普通は若干の躊躇といったものがあっても良さそうなものですが、そうした甘さを徹底的に排除したキャラをアニメで観たのは…、思い出せないや(笑)
彼の行動を見ておりますとキャスターなんて小物に見えて来るから不思議です。キャラの描き方も見事でございまして、彼と切嗣の対決も早く見てみたいものでございます。