花咲くいろは 第二十五話『私の好きな喜翠荘』

旅館の存続のため、大勢の宿泊客を受け入れた喜翠荘は効率化に取り組む。しかしそれに違和感を感じた緒花は、というお話。
なんのために働くのか、誰のために働くのかといった難しい内容のお話でございましたが、それはスイだけではなく喜翠荘の皆が分かっていた事で、各人の意地が事態を混乱させていただけのことでございました。
喜翠荘は自分の夢でしかないからもう皆を解放してあげたいと願ったスイと、その夢が好きだからこの場所を守りたいと願った皆の気持ちがぶつかってしまった、と。
でも一番大事なことはお客様の笑顔なのだと気付いた時、ひとつになってお仕事に励む姿は感動的でございました。特にスイ・皐月・緒花の四十万の女三代揃い踏みは、ね。
一方で菜子の「自分では夢を叶えるために走る事はできないけれど、誰かの夢を追いかけて走る人がいても」といった意味の台詞は考えさせられるものでございました。
若い人は全員夢を持つべきだ、その夢に向かって努力しなさいと、おっさん世代は過去の自分を顧みないで考えがちなのですが、皆が皆夢を持って走れる人ばかりじゃございませんね。
そういう人はどうすればいいの?という事を岡田さんは若い頃(…いや、まだお若いのですがw)考えた事があったんでしょう。そういう事を活かした脚本ではなかったかと考察(笑)
24話分の解答と新しい問題を提起しながらも、あくまで画面では生き生きとしたキャラたちの描写が中心でございました。観て楽しんでもらうことが最優先といった制作陣の姿勢が好ましい。
今回はスイの「見せ方」に特に力が入っておりまして、スイが緒花の人生の導師としての役割が与えられていた事を思い出しました。例えますと「宝島」のジムに対するシルバーですね(分かり辛い例えだなぁw)
含蓄のある内容のお話ではございましたが、崇子の「エニシング!」の一言が全てを台無しにしておりましたね(笑) ここにも岡田さんの洒落っ気が顔を出しておりました、素晴らしい。