花咲くいろは 第15話『マメ、のち、晴れ』

修学旅行で緒花たちが宿泊している「福洋」で、番頭の厳しい指導に耐えかねて仲居の女の子たちが突如辞めてしまった。窮地を見かねて緒花は手伝いを申し出るのだった、というお話。
「修学旅行」でございますので、名所旧跡を観光して過去を学ぶのも良し、友人たちと楽しい時間を過ごして友誼を深めるのも良しでございますが、社会に出た時の疑似体験も立派な「修学」だと思うのでございます。
まあ緒花たちは既に「社会人」でございますのでこの限りではないでしょうが。
「あの花」では立ち止まり動き出す方法を探す青春を描いておりましたが、「花いろ」では突っ走る青春が描かれておりますね。先の事なんて今は考えられない、とにかく前に進まなきゃ!とでも申しましょうか。
どちらも青春の一面でございまして、本当であればどちらをも過不足なく描いてこそ「青春もの」なのでしょうが、それをやるには今のアニメに許された「尺」では無理がございます。…4クールは欲しいですよね(笑)
もっとも本作は立ち止まる緒花、悩む緒花も最低限ではございますが描かれておりまして、やはり2クールは最低ラインのようでございます。
結名は「仕事」に対して頭でっかちになっている若者の代弁者として描かれていたのかな?
他人から見ればつまらなそうな仕事や、苦労ばかりが多そうな仕事でも、その中にも喜びや生きがいがある訳で、何事にも挑戦してみなければ分からない。そして人からやらせれて嫌々やるのではなく、自分で考えることも必要でございまして、そうでないと「本質」には到達できない、と。
でも若者に一番必要なのは緒花のように考えるより先に体を動かすことでございましょう。そんな緒花だから同級生たちも彼女たちを助けてくれたのでしょうし、そうした描写があったことが大変嬉しかったです。
今回は若干作画に難のある個所もございましたが、最後の入浴シーンが渾身(笑)でございましたので、まあ問題にするほどじゃございませんね(笑)