お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!! 第12話(終)『お兄ちゃんのことなんてぜんぜん好きじゃないんだからね!!』

両親不在の日曜日。二人っきりになった修輔の妄想(煩悩?)と、奈緒の「おあずけ大作戦」の戦いの火蓋が切って落とされた!…大体合ってる。
冒頭で「ヨスガる」という単語が頭の中を駆け巡りましたが、まあ元々そういうギリギリなところを綱渡りしていたアニメでございましたし、案の定そういった展開にはなりませんで、このメチャクチャなアニメにしては真っ当な「良い話」で終幕となりました。
修輔と奈緒の関係は全く変化がなく、修輔自体も「成長」した訳でもなく。まあ修輔の周りに(変態の)女の子がと、修輔の「性癖」にヴァリエーションが増えたことが「成長」と考えれば一応成長していたのかもしれませんが(笑)
本作は特に語るべき「物語」があったわけではなく、あるキャラクターの動きに対して、他のキャラクターのリアクションを楽しむアニメであったと思います。ですのでキャラが成長してとかは関係ないか(笑)
結構キワドイ内容のお話が多かったのですが、それら全てを笑いに昇華させて「エロい」内容に偏らなかった制作スタッフや監督のセンス(この場合「良識」と言うべきでしょうか)が光った作品だったと思います。
ただ、作品の指向がそういった「局所的な」笑いに行ったせいで(もっとも原作のストックがなくて仕方なく、という面はあったのでしょうが)、「作品」としての熱量の低さは否めなかったかと。
上でも書きましたが「語るべき物語を持たない作品」の宿命のようなもので、その時は楽しいし面白いのですが、数年後あるいは十数年後に語られる作品となるにはもう一段の「何か」が必要だったかもしれません。
欠番の10話も含めましてこの時代の「仇花」のような作品に感じられました。…でも見かけだけ深刻ぶる作品よりはずっと好感が持てましたけどね。