かみちゅ!第15話『小さな一歩で』

テレビ版最終回。
近づくバレンタインデーを前に「今年こそは二宮君に!」と決意を新たにするゆりえ。でも「いざ」その時が近づくと決意も鈍りがちに。そのゆりえの背中を街中すべての人と神様が押してくれて、ついにゆりえは二宮君に手作りチョコを渡すのだった、というお話でした。
人を好きになるという行為は、それだけでとてもとてもパワーのいる事でございまして、まして自分の気持ちを相手に伝えるとなりますとそのハードルの高いことは誰しも経験のある事かと存じます。
それは「普通」ではない中学生のゆりえにとりましても同様でございまして、ウジウジと悩む姿は実に微笑ましい(笑)
伝えたからと申しまして、その「想い」が必ず成就するわけではございませんが、「次」のステップに進むためにはどこかで「区切り」を付ける意味でも「想い」を伝えなければなりません。
その「勇気」をどこからもってくるのかが問題でございまして、本作のゆりえ様は神様でございますので「かみちゅー」と一声上げれば万事解決…、なのですが、それでは自分の想いを伝えた事にはなりませんね。
ためらって、引き返して、それでももう一度前に出て、またためらって。
今エピソードでは街中の人々と同級生から陰に日に応援をしてもらっておりましたが、最後はゆりえ自身がありったけの勇気を振り絞って二宮くんに告白いたしました。その結果は実はどうでもよろしくて、ゆりえが前に踏み出したこと、それ自体が重要な事だったと思います。
ここではゆりえの「想い」は伝わりましたが、この先二人の仲がどうなるかなんて誰にも分かりません。でも肝心な時に自分の力で前に進んだゆりえ様ですから、この先の困難も何とかするのだろうと予感させてくれる終わり方だったと思います。
本作は「神様で中学生」のゆりえ様の活躍(?)を描いてまいりましたが、最後は「普通の思春期の女子中学生」のゆりえ様を描いて幕を降ろしてくれたスタッフの優しさが胸に染みてまいりました。…いや、もう1話あるのか(笑)