これはゾンビですか? 第9話『はい、脱ぐと凄いんです』

「ユー」を連れ去り自分の望みを叶えるように迫る「夜の王」。「ユー」の存在自体が周りの者を危険にしてしまうと語る夜の王は、歩たちの窮地をユーに見せる。歩の活躍で危機を回避することに成功はしたが、その帰り道ユーは彼らの前から姿を消すのだった、というお話。
今回の特徴を一言で書きますと
妄想ユーの出番もないシリアス展開
という事なのですが、そこはそれ、真面目にやろうという気があまり見られないスタッフが作っている作品でございますの(笑)で、そこかしこに笑いのネタを散りばめてなんとか踏みとどまっておりました。
ただし若干シリアス分が強く感じられて笑いが薄く感じられたのが残念だったかもしれません。
まあでもさすがヒロイン・ハルナでございまして、重く沈んだ雰囲気のまま終わらなかったのは彼女の無駄に元気な性格があればこそ。そこまで計算して彼女の設定を作っているのだといたしますと、作者を見直さないといけないのかもしれません。
この作品に限った事ではないのですが、こうしたギャグと申しましょうかコメディ仕立てでスタートし、しかもなかなか快調に物語が進んでいる作品が、中盤くらいから「なにがしかの芯」を用意し、しかも必ず「シリアス」な方向を目指すといった展開が残念に思っております。
前にも書きましたが、これだけの設定と魅力的な登場人物がいるのですから、今シリーズくらいはドタバタとした展開で良かったんじゃあ…、この「今シリーズ」という考え方が悪いのか。
次のシリーズが約束されていないから一つのシリーズの中でなんとかまとめようとし、そのシリーズ自体も短いものですから伏線の張り方も弱く感じられたり。
コメディならコメディを、シリアスならシリアスを。どっちつかずですと作品自体の価値が下がってしまうと思うのですが、どうなんでしょうねぇ。