かみちゅ!第12話『ふしぎなぼうけん』

「神無月」に一か月ゆりえが出雲へ「出張」したお話。
日本人は「肩書き」といったものに弱いものでございまして、それが神様ともなりますとそりゃあもう大変(笑) 出雲の中学校の生徒たちが遠巻きにしてしまうのも理解できるというものです。
このエピソードは、そうした簡単に「垣根」を作ってしまい他者を自分たちのコミュニティから外してしまう私たちのメンタリティを暴いて見せていたのだと思います。
ゆりえにとって大人の教師から「垣根」を作られることはともかく、同じ中学生の同級生から「垣根」を作られたことが辛い。
手を伸ばせば触れられる距離にいて、喋る言葉も聞こえるのに一人ぼっちというのは、誰も居ない荒野に放り出された孤独の方が「マシ」というものでしょう。
でも、
垣根を作ってしまったのはゆりえも同じで、人と交流したければ自分も行動しなければいけない。待っているだけでは何も変わらない。最初の一歩を踏み出すのは勇気がいるけれど、その一歩がなければ何も始まらない。弁天様が「神様は神頼みできないからね」と語ったのはそういう意味かと。
そのことに気付き最後の最後に臨時同級生に謝るゆりえでございましたが、遅すぎるということはございません。来年も神無月はやって来るのですから。
しっとりとした味わいの良いエピソードでございました。