とある魔術の禁書目録Ⅱ 第19話『木原数多(けんきゅうしゃ)』

突如現れたハウンドドッグの木原数多に、アクセラレーターはその能力を無効化され、なんとかラストオーダーを逃がすことには成功するが一方的に倒されてしまう。再び迷子になったインデックスを探して学園都市を歩いていた当麻は、謎の侵入者によって無力化されて倒れるアンチスキルに遭遇。そして助けを求めるラストオーダーと再会した、というお話。
文句なしの面白さ!
その一番の要因は木原数多の存在という事になるでしょうか。やはり「敵役」というのはとても大事と痛感いたします。
本作には数多くの敵役が登場いたしますが、当麻の相手の多くは「女性」でございましたので(まあそれはそれで彼の「不幸体質」故の因果であると思えば納得もできるのですが)、「戦う」という描写におきましては「緊迫感」「緊張感」に欠けるきらいがあったことは否めないかと。
「女王艦隊」のビアージオは男性でしたしCVの若本さんの熱演もございましたが、その若本さんの熱演ほどは敵役としての存在感はございませんで、まさに若本さんには役不足、あるいは若本の無駄使い(笑)でございました。
それは「敵役」としてビアージオの力量が十分に描かれていなかったからでして、こんな魔術が使えるという描写だけでは不十分で、その魔術でどこまで主人公たちを追い詰めることができそうか、そのパーソナリティは主人公と敵対するに相応しいものなのかを視聴者に納得させることが出来たとき、初めて敵役としての存在価値があろうかと存じます。
さて木原数多。
いいですねぇ(笑) アクセラレーターのキレっぷりもなかなかでございますが、その彼に負けないアクの強さ、そして実力の裏付け。なにより藤原啓治さんの演技が魂を吹き込んでおりまして、実に魅力的な敵役となっておりました。
主人公というものは「相手」がいてこそ主役でいられるわけでございまして、アクセラレーターの「狂気」に対抗できるだけの「狂気」を内包した敵役の存在だけが彼を輝かせてくれる事でしょう。
そして今回も当麻の相手は「女性」なのか。
彼の最大の不幸は(今のところ)敵役に恵まれない事でございまして、結果爆発的なカタルシスを得られないでいるかと。まあ当麻は倒した敵も引き連れて前に進むというキャラに見えますので、相手を再起不能にもできませんし、その辺は仕方がないのかもしれません。
ただ、今エピソードは対面する者だけが相手ではなく、それこそ「世界すべて」を敵に回したような緊迫感が漂っておりますので、そういう相手に対して当麻の「説教」が爆発するかどうかといった期待はございます。
本当に次週が待ち遠しい!