刀語 第十二話(終)『炎刀・銃』

とがめが死に、七花は死地を求めて家鳴将軍家の居城へと乗り込んで行ったお話。
話の展開上とはいえ、いつも以上にアクションが見事でございまして、拍手喝采。「苦労して蒐集」してきたのは「壊さないため」で、本当の虚刀流の強さを御覧に入れる!といったところでしょうか。大変楽しい作りでございました。
前回のラストシーンでは「油断した」と書きましたが、今回もある意味では「油断」だったかもしれません。作者に「突き放された」と申しますか、「煙に巻かれた」と申しましょうか…。
放送終了後二回ほど観返したのですが未だよく理解できない部分などもございまして、まあこれはいつもの事なんですけどね(笑)、正月に全話一気に視聴して再確認するか、小説を購入して熟読するかしないといけないようでございます。
とがめが死ぬ意味については、そうでないと「完了形変体刀・虚刀鑢」として七花が「完了」しなかった、という意味だったと理解したのですが、虫の息の中でとがめが語った「嘘」はどこまでが「嘘」だったのかという部分が未だに理解出来ておりません。
全てのものを利用する嘘と語っていた時のとがめの瞳は「奇策師」としての瞳でございましたし、といたしますとそれ自体も七花を「完了」させるための「嘘」なのか、それとも自分の死で七花を縛らないための「嘘」とも解釈すればいいのか。
その会話中ずっととがめにまとわりついていた「白蛇」は、とがめの逃れられない「運命の象徴」だったのか、それとも他になにか意味があったのか…。最近脳細胞を使うという行為をしてこなかったツケを払わされている気分でございます、最終回なのに(笑)
その前提の「四季崎記紀による歴史の改ざん計画」と「刀」の存在の意味も、ね(笑) …いや、笑い事じゃないのですけど。
結局四季崎記紀は「日本」を救うために歴史を改ざんしたかったのか、いやそれは既に一度なされていたからこそ「飛騨鷹比等」によって修正が試みられ、…結局どうなっているんでしょう?(笑)
といった具合に、深い部分が色々理解できないまま幕を閉じられてしまった訳なのですが。
その流れで申しますと、否定姫の目的も理解できないまま終了(笑) 同族の四季崎記紀の目的をなそうとしたのか、否定しようとしたのか。そしてなぜ全てが終わった後七花と旅をしているのか?…う〜ん、う〜ん。
ラストシーンでの池田昌子さんのナレーションを信じるといたしますと「歴史に挑んで敗れて行った者たちの物語」という事になりそうなのですが、まあどのみち人は死ぬ訳でございまして、そういった意味では人類皆敗者(笑)でございますので、あのナレーションもまた作者の「罠」のような気がいたします。
人は出来る事しか出来ない。
…多分違うと思うのですが、そんな風に考えてもいいよね?(笑)
初回からとがめの口癖だった「チェリオ!」が本当の意味で使われた事が何故かとても悲しゅうございました。そのためにこの言葉を初回から使っていたと考えますと、作者の人の悪さは相当なものですね。一年間で12本という変則的な放送形態でございましたが、その長い期間作者に気持ち良く騙していただけたのは大変幸せでございました。
そして見事な作画や美術でこの作品を作って下さったスタッフ各位、作品に命を吹き込んで下さった声優の皆様に感謝を捧げたいと思います。