百花繚乱サムライガールズ 第玖話『将(ジェネラル)の帰還』

義仙が正体を明らかにし宗朗たちに牙を剥いた。窮地に陥った宗朗たちの前にフランスから帰国した慶彦が現れ、彼が連れていたシャルル・ド・ダルタニアンの力で義仙を退けたが、慶彦は宗朗たちを捕えるのだった、というお話。
本当の黒幕は天草四郎の怨霊で、慶彦はそれに対抗すべくマスターサムライを人工的に作ろうとしていた、と。本作は肌色の多い絵をいかに見せるかが「主」であり、物語自体はそれを効果的に見せるための「従」と考えておりましたので、失礼ながら二段構えであったことに驚きました。
で、コンパクトなシリーズのようですからここでそのどちらの手札もオープンにしてしまったことは否定はいたしませんが、慶彦の正体、そして彼が立ち向かう真の敵と段階を踏む「尺」があれば、結構重厚なドラマを展開できたように思えますので、惜しいなぁ。
まあでも慶彦の目的のためなら手段は選ばずという狂いっぷりが良かった(笑) やはり悪役はこれくらい悪じゃありませんと、正義というものの引き立て役になりませんからね。そういう「ツボ」を外さないところがこの作品が単なる「お色気過多」の作品に止まっていないところかと存じます。
結構深刻な内容なのですが、十兵衛や兼続の「天然もの」(作中では本来の意味で使用されておりますw)の「バカ」の存在が色々な意味で救いになっておりまして、全体として「軽快」といった印象を損なっていないのでしょう。
キャラが立ってまいりましたので、ここから先にもう一つドラマを用意して長いシリーズになっていただきたいものでございますが、それは無理か。残念だなぁ。