HEROMAN EPISODE#26(終)『FAITH』

ジョーイとヒーローマンが力を合わせてスクラッグを退け、地球の危機を救ったお話。
本作は作画を始めとする「画面作り」という点ではかなり高い品質でシリーズを作っておりまして、その点では不満が全くございませんでした。
今回でも「赤ジョーイ」がゴゴールと闘う場面の作画などは、作画オタではない私でも目を奪われるようなスピード感とアニメーターの自由な発想力が見ることができまして大満足。ボンズの実力を改めて確認することができました。
一方でお話作りの点では…、う〜ん(笑)
番組開始直後は「複雑な設定の袋小路にはまり込んでいる最近の作品に対するカウンター」になると期待したのですが、「ストレート」であっても、いえストレートな物語であるならもう少し「沸点」を高目にしていただきたかったなぁ、と。
ジョーイがヒーローを目指す。そのためにどう行動すればいいのか、何をしなければならなくて何をしてはいけないのか。26話も使えたのですから、そこら辺をもっと突き詰めて描いて下さると嬉しかったと思うのですが。
本作の場合、いきなり外宇宙から侵略者がやって来て、平凡な少年がヒーローとして敵に立ち向かうとして描かれておりましたが、こうなってみますと最初は小さな事件を解決し、調子に乗ったところで圧倒的な力を持つ敵と対峙し、そこでヒーローの意味を探りながら戦うとした方が…、いや、僭越ですのでやめます(笑)
どうもラストシーンなどを拝見いたしますと、もう少し長いシリーズだったようで、諸事情で「ここまで」に終わったように見えました。
であれば、本当はもっと違った展開になり、こちらの印象もまるで正反対になった可能性もあったかと思います。できれば完結させていただきたかったのですが、今となりましては何を書いても、ねぇ。
この時代に「王道」を貫き通す難しさというものは理解できるのですが、「SW2」で出来て本作で出来ない理由もない訳でございまして、両者の違いがどこにあったのかは考えなければいけないかと存じます。
ともあれ、何度も書きますが「絵作り」に関してはご苦労様でしたと書き残しておきたいと思います。