ゼーガペイン #23『沈まない月』

北極にある巨大デフテラ領域に突入するセレブラム母艦は、オケアノスを月に送り込むために次々と倒れて行く。多くの犠牲の元キョウたちは量子ポータルにたどり着き月のジフェイタスに到着するが、そこにアビスとシンが現れキョウたちとともにナーガのサーバに飲み込まれて、というお話でした。
人類に未来があるのかどうかも分からない戦いに身を投じて、次々に倒れて行くセレブラントたちを見ておりますと、虚しさだけが感じられましてとても切ない。
惜しいと感じるのは先週書いた通り、オケアノス以外のセレブラムたちがあまり描かれていなかったことで、もしそこら辺を描く時間的余裕があったのなら今回のあの場面でおっさん号泣しちゃってましたよ(笑)
データとしての人間と、肉体を持った人間の違いというものが本作では重要な問題のひとつでございますので、倒れて行くセレブラントの命が軽いもので良いはずはございません。であれば消え行く命ひとつひとつを大切にしていただきたかったなぁ、と。
ナーガとの対決シーンにつきましては好感。あそこは往々にして善悪問答や観念的なお話になりがちですし、そのお話も長々と続くものでございますが非常に短くまとめられており、さらに「理」ではなく「情」に糸口を見出しておりました。
それこそ本作の出発点、ナーガの「頭だけで考えた進歩」に対する反証を兼ねたものではなかったかと。真っ赤に燃える「熱さ」ではなく青白い炎による冷たい「熱さ」のようなものが感じられました。
次回は24話ですか。残り3話もあるということは、まだまだ隠し玉があるんでしょうねぇ。楽しみでございます。