Angel Beats! [EPISODE,13] Graduation

この「支配」からの卒業、「闘い」からの卒業元ネタは…、某音楽業界から怒られそうなので自粛(笑)
まず、この最終回を視聴して不覚にも「良い話だった」と率直に感じてしまったことを告白しておきます。…涙腺が著しく弱くなってしまった年寄りにはダメなんですよ、こういった展開は(笑)
それと音無と奏の「時を超えた」つながりも良かった。これで奏が「ずっと待っていた」という展開であればもっと感動的だったかなと。ここまで来たのですから徹底的に「ベタ」な展開にしてもよかったのに、惜しい。
1.
この作品を視聴していて一番気になったのは、語り方の問題でございました。上記の「音無と奏」のお話なんか、きちんと伏線をひいておけば感動も一入なのですが、中の人としてはあれで十分と思っていたのでしょうが、全然足りておりません。
ですからあの件は感動はしたのですが、取ってつけたようなエピソードに感じましたし、唐突感で感動も半減といったところでございました。
全編この調子で、語りたい内容が多すぎて、しかも全部語ろうとしてしまったために、逆に全てが語り尽くせないで終わってしまったというのが本作の印象でございます。…整理整頓は大事ですよね。
2.
「誰だか知らない者に私の人生を好きにはさせない、たとえそれが神だとしても」という作品の基本コンセプトは楽しそうでしたし、それが人生経験の浅い(見かけは)十代の少年少女によって描かれるのですから、切り口としても面白いと思います。
であれば十代の若さや思慮の足りなさを描き、それでも有無をも言わせぬ若さのパワーを見せていただきたかったでしょうか。
もっとも作品は「理不尽を理不尽として受け入れるためのモラトリアム」を描いたに過ぎず、「自分自身が納得したから来世へ旅立ちましょう」と至極真っ当なところへ着地してしまいました。
それが悪い事とは考えておりません。
でもそういう結末が用意されていたのならそれなりの筋立てが必要と感じておりますし、私が本作に物足りなさを感じるのもその辺が整備されていなかったことに起因していたのかと思います。
3.
バラエティといえば聞こえは良いですが、総花的と申しますか散漫と申しますか。
所々のエピソードでは感心もいたしましたので、もしどこか一つの要素に焦点を当て、そこを深く掘り下げてくれていたのなら全く違った作品になるだけの要素はあったと思いますので、残念だったというのが総合的な感想でございます。