閃光のナイトレイド 最終話『せめて、希望のかけらを』

困ったなぁ、最後の最後が大変好みの終わり方でございました。こういう記憶の断片が、何年か後になりますとそこだけ結晶化しちゃいまして、作品に対する全印象として固定してしまうんです(笑) まっ、私の記憶力なんてこの程度という証拠なのですが…。
基本的にこういう「歴史の陰で働き、陰謀を潰しても賞賛されることもなく、そして人知れず消えて行く」といった物語は大好物でございます。ですので、今まで書いてきた愚痴や不満は「愛すればこそ」から発したものでございます、が。
超能力
途中でも散々書いてきましたが、最後まで納得できなかったのでもう一度。
これが本作に必要だったのかどうか。必要だったとしたらもっと効果的に使えなかったのか。そこが残念でございました。最大の「残念」は特殊能力を使えるが故の悲しみという部分が観ていた限りは分からなかったことでしょうか。
「能力者であるから同じ日本人からも忌み嫌われ阻害され、それでもその能力を使って日本人のために命を投げ打ってでも戦う」ですとか、ありきたりではございますが何かしらの「動機」が描かれていれば私といたしましては納得したと思うのです。
そういう「ウエット」なお話でなくても、彼らがその特殊能力を手にした原因と結果は描いておいて欲しかったでしょうか。「その道具が必要だった理由」が説明されなかったから、その「道具」に納得がいかなかった原因だと思います。
ドラマ
物語自体には特に不満はございませんでした。ただその物語に厚みや奥行きを与えるのは、登場キャラクターの心模様だと考えておりますので、そういった部分では不満が(笑)
葵と静音、高千穂と雪奈のすれ違いや葛の葛藤、棗の無償の愛(愛だよね?)など、いくらでも描きようはあったと思うのですが、何れの場合も中途半端なところで終わっていたように見えました。
これなども上記の「超能力」と絡めて描くことが可能だったでしょうし、残念。
この作品の問題は、様々なパーツを用意し、そのパーツは結構魅力的だったのに、上手く連動させられなかったところにあったのだと思います。
終わりに
考えてみますと、漫画でも小説でもラノベでも、それらは皆「オリジナル」でございます。…最近はそうでない作品もあるようですが。
ですからアニメオリジナルにこだわるのであれば、そうした作品にも見劣りしないものを目指さなければなりません。ただ「作りたい作品」というだけで作っても勝敗は目に見えているかと。
「萌えや美少女アニメばかり作るのはうんざりだ!」という心意気は買い。であればこそ、「どうだっ!」というアニメを観せていただきたかったかなぁ。
でも終わり方は本当に好み!…松本監督の次回作に期待いたします。