迷い猫オーバーラン 特別編(終)『迷い猫、まとまった』

…たぶん幸運の力みたいなのを右手が消しちゃてるんだよ
最終回はキャラクターコメンタリーで丸々一本消化。新作部分はゼロという、この作品に相応しい掉尾と申しましょうか、カオスな終わり方でございました。
でももう少しはじけて冒頭のような「中の人」ネタが多いと宜しかったような(笑) 折角インデックスとかレールガンとか黒子とか(笑)おりましたのに。
元々真面目に作れば「家族」「絆」そして「自分は何者なのか」といった実に重厚なテーマを内包した作品だと思うのですが、それを正面突破するつもりがない事はキャラクター設定の段階で諒解しておりましたので、「くだけた」つくりに不満はございませんでした。
と申しますか、その「くだけた」方が楽しかったくらいで、本筋の印象が薄くなってしまったのはどうなのでしょう?制作者サイドが「それも望むところ」だったとすれば成功だったのでしょうし、このつくり方であれば多分成功なんでしょうね。
キャラクター的に「かぶっている」ところ(文乃と千世の「ツンデレ」ですとか)はございましたが、それよりもなによりも、魅力的なキャラクターが登場していたにもかかわらず「ひろがり」が今一つに見えたところが残念だったでしょうか。
これは深夜アニメのフォーマットがワンクールであることの宿命みたいなもので、各々のキャラクターを描き込む時間的余裕が絶対的に不足しているからだと思います。
キャラクターだけではなく、作品世界も実にコンパクトでございまして、千世が言う「ワールドワイド」なんておこがましい限りで、町内で世界が完結しているようにしか見えませんでした。これも時間的余裕があれば色々と仕掛けられたのでしょうが…、実に残念でございます。
この辺が「販促」としてのアニメの限界だと思えるのですが、だといたしますとワンクールに相応しい作品、もしくは再構成してその尺に合わせる作りを試みる時期に来ているのではないかと。
内容的には色々積み残した部分がありますので、2期があるのであれば…、いやもし2期があったとしてもこの路線でも構いません(笑) むしろ実験アニメとして存在していただきたいくらいでございます。
そうですね、具体的には13話全部同じ脚本で演出と作画(制作)スタッフだけが毎回違うとか、ね。…楽しいだろうなぁ(笑)
そうした妄想の可能性を感じさせてくれただけでもこの作品の存在理由はあった!と個人的には好みの作品でございました。…ただし、シリーズ構成の方だけは反省するように!(笑)