HEROMAN EPISODE#12『STALKERS』

「追いかける人たち」の目的は別でも、標的は同じジョーイというお話。モテモテ(死語)ですね、ジョーイ。
「私とヒーローマンとどっちが大事なの!」とキレるリナを期待いたしましたが、そんなことは全くございませんでして、実に物わかりのいいガールフレンドとして描かれておりました。
このような場面を見るにつけ、制作者が人間関係に「こだわり」を持たないのだなぁと感じると同時に、それが原因で本作のストーリーに余り起伏というものを感じない理由ではないかと邪推いたしております。
なんと申しましょうか、贅沢にも様々な素材を大鍋に放り込んだのに、提供されたのはその上澄みの淡白なスープでございました、とでも書けば分かっていただけるのかな?
スクラッグ編で言いますと、「スクラッグが地球を侵略する直接の理由がわからない」わけで、地球人食料化計画くらいの明確な理由が提示されて然るべきだったでしょうし、「タマ侵攻作戦」でいいますと、地上にある政府のシンボルを破壊したところでたいした意味を日本人である私には感じられません。
今回展開している「ゴースト捕獲作戦」でも、脅威だから捕獲といった理由では納得するまでには至りません。せめて「あのテクノロジーを我々アメリカのものに!」くらいの理由が欲しいですし、「それを使ってアメリカが世界の支配者になるのだ!」というお話でも…、色々とまずいか(笑)
思わせぶりで登場したドクター・ミナミ御一行様も殊の外底が浅く、かと申しましてアメリカの大統領も完全な悪役という感じでもありません。
「敵」がいない状態で作品を展開することが「つまらない」とは思いませんが、そうすると「ヒーローマン」の存在理由が単なる「やっかいもの」にしかないような。これから先「逃亡者」みたいなお話になるのでしたら、それはそれで見てみたい気持ちもあるのですが。
こうなりますと、ゴゴールの「殻」を持ち去った人物の再登場が待ち遠しいと期待しつつ、以下次週。