鋼の錬金術師 第62話『凄絶なる反撃』

地上に出た「おとうさま」を追撃するエドたちだったが、神の力を手にした「おとうさま」の前に成す術もなく打ちのめされる。その時ブリッグス兵たち「普通の人間」やキメラやホムンクルス、多くの者たちが攻撃を始め「おとうさまは」は次第に疲弊しはじめた。それでも「おとうさま」の力の前に窮地に陥ったエドを救うためにアルは最後の手段を使った!というお話。・・・だいたい合ってるはず(笑)
1.
ホムンクルス・グリードが本当に求めていたものを自覚いたしましたが、大げさに書けば「絆」なのでしょうが、多分もっと小さなもの、「人と人との繋がり」で充分かと。
それは「おとうさま」の魂から作られた時から求めていたものなのでしょう。人間の余分な(と、おとうさまには思えた)感情を体外に出すことで完璧な存在になろうとしたのでしょうが、実はその余分な感情こそが人が人として生きる証にほかなりません。
本体の「おとうさま」は気付けない(感情を排除したのだから当然)が、「外」で人と触れ合うホムンクルスたちは今の自分に足りないものがあることに気が付き、次第に焦燥感を募らせる事になってしまう。でもそれぞれの感情がバラバラですから随分と遠回りしてしまった、と。
でも気付けた彼らは幸せだったのだと思います。エンヴィーは「人」に憧れる感情に気付いて逝き、ラースは純粋な「戦い」の中に「生」の充実を見つけ、グリードは「絆」を求めていた事を自覚したのですから。
他の四人、傲慢(プライド)・色欲(ラスト)・暴食(グラトニー)・怠惰(スロウス)のうち既に退場している三人、「色欲」「暴食」「怠惰」はそれぞれ「性欲」「食欲」「睡眠欲」に対応しているのでしょうから、これは人の本能そのものでございますし、それだけで完結した存在と考える事が可能ですから(本当か?)彼らは求めるものがなかったのだろうと解釈。
・・・う〜ん、生まれた目的は「おとうさま」の意志で、自身の生きる「意味」を考える事もなかったと考えますと、この三人は随分と可哀相な存在だったようですね(笑)
さて、そうした経緯を考慮いたしますと、これは間違いなくグリードの「フラグ」って事ですよね?・・・リンはどうなっちゃうんだろう。
2.
部下の先頭に立つことが上に立つ者の義務と信じて疑わない、そしていつもそうして来たオリヴィエにとって、今の自分がそこへ行っても足手まといにしかならない事実と、多数の死傷者を出しながらも彼女の命令を守って戦う部下の元へ行けない悔しさが表現されておりましたが、この辺なんかもう少し時間を掛けていただきたかったでしょうか。
オリヴィエの男前さ、と申しますか彼女の王者の資質の最大の見せ場じゃないかー!残念ながら「尺」が(久しぶりにこの文字書きました)足りませんでしたね、オリヴィエさん(笑)
3.
兄の窮地を前にしてみせたアルの覚悟。自己犠牲なんて安っぽいものなんかではなく、これは二人が培ってきた「信頼」というものなんでしょうね。必ず兄が助けてくれる、そう信じるからこそ真理の扉へ赴くアルの覚悟に涙が(笑)
そして扉の前の番人(?)の右腕はエドへ「返却」。「等価交換」で失ったものは永遠に失われるのではなく、一時預かりなのか。もっともアルの体とエドの左足は「母親の人体練成」の代償でしたから、これと「等価」のものって・・・。
まああと2回で全ては終わってしまうのですから、今はただ心落ち着かせて待っていればいいのでしょう。・・・あと2回かぁ。