けいおん!! 第2話『整頓!』

カオス状態の部室の物置を整理する事になったHTTのメンバーたちは、そこで古いギターを見つけた。それはかつてさわちゃん先生が使っていたものだったが、彼女はそれを売って部費の足しにしなさいと提案。唯たちはさっそく楽器屋に持ち込ものだったが、そのギターには意外な値段がつけられて、というお話でした。
「お金」に対する耐性の違いと申しましょうか、物欲の差と申しましょうか、キャラの違いが大変面白かったです。一見「嫌味」なりかねない「むぎ」の言動も、彼女なりの物欲が中和していて「天然」に昇華されていたかと。うんうん、ピカピカの蛇口は美しいよね(笑)
楽器やアンプを欲しがる「澪」「律」「梓」の三人の小心っぷりもなかなか良い味だしておりました。「唯」のアレは良く分かりませんが、唯だからあれも納得してしまうあたりキャラの説得力でしょうか。
地方に住んでおりますと「京都アニメーション」の作品に触れる機会は少ないのですが、カット毎のアングルですとか、細部の動きなどを見せられますと、評価が高い事も肯けます。このレベルを維持し続ける事は本当に大変でしょうが、これがないとこの作品の魅力は半減しそうな気がいたしますので最後まで頑張っていただきたいと思います。
「梓」と「HTT」と「軽音部」
先週は梓の「後輩が欲しいオーラ」から新入部員勧誘にまつわるドタバタを経て「消極的現状維持」に至りましたが、あのままだと「軽音部」そのものの存続も危ういのではと一抹の不安もございました。で、多分今回のお話はそういう心配性な人向け(笑)のお話だったように見えました。
梓に関しては「HTT」という居場所があればとりあえず問題はないとしましたが、後輩(新入部員)が入ってこなければ次年度には梓一人の軽音部になってしまい、それでは新歓ライブもできません。となれば部そのものが消滅してしまう。案外梓はそれを心配していたんじゃないかと。・・・真面目でしっかり者ですからね。
「HTT」というバンドが出来、梓が唯たちと出会えたのも「軽音部」という苗床があったからでしょうし、その意味では「後輩」というものは「今のまま」には必要なくても、「継続」という意味では「絶対必要だよなー」などと考えた訳でございます。
で、私のような余計なことばかり考える心配性な視聴者にスタッフが用意してくれた答えが「カメ」と「さわちゃん先生のギター」ではなかったかと。
当初梓のために「カメ」を飼うシーンを見ておりまして「生き物、それもカメのような長寿の動物を飼うなんて無謀だ」と思ったのですが、それとさわちゃん先生のギターを対の存在と考えますと別の事が見えてまいりました。
古いギターは「過去」、長寿のカメは「未来」。過去においても「さわちゃん」がいた「軽音部」があったように、「HTT」の彼女たちが卒業し、誰もあの部室に居なくなったとしても「カメ」は何事もなく長生きして部員としてその時代の「HTT」に世話を焼かれるんだよ、と。
唯や梓の居る「今=HTT」と「永遠=軽音部」の見事な対比ではありませんか!・・・と考えたのですが、花田先生がそこまで考えていたのかどうかは甚だ疑問(笑) 考え過ぎだな、ウン。でもシリーズ構成の吉田さんならありえるかもしれませんね(笑)