そらのおとしもの 第12話『逃れること叶わぬ螺旋回廊(クサリ)』

 ラス前ということで今回はいつもより深刻な要素が多めでございました。
 「笑う」という感情を上手く表現出来ないイカロス。簡単じゃんというニンフに「あなたも笑っていない」と核心をつくイカロス。デートをすれば楽しくなるかもという訳で町にでかける智樹御一行さまでしたが、というお話。
 こういうエピソードを拝見いたしますと「次第に感情が出てくるエンジェロイド」というものを柱に作品を構築したいれば、という思いが強くなります。確かに折りにふれそうした描写はあったのですが、どちらかと言えば埋没していたような気がするのです。
 数々の智樹の暴走や妄想に対してイカロスとニンフが怒ったり悲しんだり喜んだりしながら人間的成長を遂げ、最後に笑顔をみせてくれるような仕掛けになっていたら、智樹が巻き起こした「笑い」も無駄にはならなかったのではなかったか、と。
 単体で視聴しているときはその刹那的な笑いばかりに目を奪われてしまうのですが、それが物語の根幹、つまり人間らしさ(具体的には「喜怒哀楽」ですが)に大きく関わる有機的な構成であればもっと奥行がでたんじゃないだろうかと最終回を控えて考えた次第でございます。