戦う司書The Book of Bantorra第11話『弱者と迷宮と女王の差し手』

 ・・・何か重要な部分が抜け落ちていたような気がいたしましたが、これはアニメ版に限っての事なのでしょうか。
 神溺教団の刺客ウインケニーの策略によって武装司書と戦うモッカニアはハミュッツと対峙して、という先週の続きのお話。面白かったのはモッカニアの脅威を感じ取った神溺教団が事前にウインケニーを刺客に仕立てるプロセスでしょうか。
 モッカニアの生きて来た過程をウインケニーにトレースさせることで同調させるアイデアは「ブラジルから来た少年かっ!」と思ったりいたしましたが(笑)、そこは宜しいのでございますが、であればもう一段進んで母親を喪った哀しみを追体験させるために「教団がウインケニーの母親の記憶を奪った」もしくは「そう仕向けた」あるいはいっその事「殺してしまう」といった描写があった方がスマートかつ教団の非道さを浮彫りにしたのではないでしょうか。
 もっともウインケニーに命令を下した人物とハミュッツは通じておりますから、教団イコール「悪」といったお話ではなさそうですので、あまり教団サイドの悪いところばかり描いても、といったブレーキが掛かったのかもしれません。
 その辺の描写があるかないかで作品の深みが違ってくると思うのですが、う〜ん、おっさんの思い込みなんでしょうねぇ。で、色々あった今回は「二人のマザコン」オチという・・・、ちょっとアレでしたね(笑)それと殺されちゃった武装司書の見せ場がなかったことも不満。・・・やられキャラにも見せ場が欲しいというのもおっさん世代の悪いところかもしれませんね。でもその方が盛りあがると思うんだけどなぁ。
 それと終わったエピソードのフォローが足りないような気もいたします。正直な感想としては「えっ、これで終わり?」と思ってしまうんですよ。ですから冒頭の「何かが足りない」といった事に繋がると。ただ本作は2クールらしいのでもう少しすると全てが繋がるのかもしれませんし、その時まで判断は保留しておいた方が宜しいのかもしれませんね。