とある科学の超電磁砲<レールガン>第9話『マジョリティ・リポート』

 作中能力の高さでは美琴の方が上なのですが、「美味しい」活躍するのは黒子の方というのは「己の信念に従い正しいと感じた行動を取るべし」(@5話)というジャッジメント心得に拠るところが大きいのでしょう。
 一見「枷」にしか思えないこの言葉は同時に「原動力」にもなるようです。黒子が大暴れするのはこの心得があるからで、だからこそ今回のように命の危険があったとしても戦えますし、そうでない時はただの「変質者」として振る舞えるというものでしょう(笑)
 美琴には行動の「核」の部分がまだございませんので、中途半端な活躍の場しか与えられないということなんでしょうねぇ。もちろん作中では「ほぼ無敵」の美琴ですから、今回の黒子の立場に彼女が立ったとしましてもこれほどの「名バトル」を生み出せたかといえば…、恐らく無理でしょう(笑) この作品の中で美琴に対抗できるのは唯一トーマだけですし、当のトーマは基本的に平和主義者だし。
 「名バトル」と書きましたが、黒子と暴漢が直接コンタクトした場面はザコ2匹を投げ飛ばしたシーンとボスから蹴り倒された一連の場面だけでしたが、その後の逃げる黒子、追うボスの緊迫感は見事としか書けません。
 いつもはサラッと流し見するひとつひとつのカット毎に緊迫感が伝わってまいりまして、これがネット視聴でなければ図版を用いて思い入れたっぷりと講釈するところなのですが(笑) 私の(ソフト的にもハード的にも)能力を超えておりますから止めておきます。
 ただ直接的なバトルシーンを描かなくても「バトルシーン」として成立させてしまう演出の素晴らしさは書き残しておきたいと思います。演出は…「山内・キャシャーン・重保」さんでしたか(笑) もっと仕事してくださいね。
 で、そうした素晴らしい場面の陰で佐天さんは転落して行きそうです。母親との思い出がカットバックされていて佐天の心情は分かりましたが、本当に本作唯一貧乏くじを引かされてしまっておりますね。佐天さんの明日はどっちだっ!!