鋼の錬金術師 第28話『おとうさま』

 15話の感想を書いたとき「soul1012」さんから教えられた「リンの中にグリードが入る」ネタにようやく到達(笑) 約3ヶ月ドキドキしながら待っておりましたが、なるほどこれは予想以上に楽しい展開。
 「体内に自分以外の何者かを取り込んでいながら強靭な意識で自分を保つ」というお話は目新しくはありませんが、本編でリンが語った「国に対する責任」「臣下に対しての責任」そして「自分こそがシン国の王に相応しい」という自負。それらを総まとめして「強欲(グリード)」であるという解釈は目新しいものでございますね。・・・この二人は相性が良さそうです(笑)
 この作品の他の登場人物と同様(スカーは今のところ違うようですが、「復讐」は己の意思でしょうか)リンは「自分の意志で」選択しグリードを受け入れた訳ですが、この作品が殺伐とした内容でありながらも陰惨な印象を受けない原因はこの辺にあるのかもしれません。
 どのような結果になろうとも、全ては自分の選んだ結果でしかない。だから全てを受け入れよう、たとえそれが「死」であろうとも。けれど選んだ以上はどんな道であろうとも最後の瞬間まで諦める事はしない・・・。そういうキャラが活躍する作品から陰惨な印象を受けるはずがありませんからね。
 しかし一方で、全てが自分たちの思い通りになろうはずもなく。その象徴として作者は「真理の扉」を配しているのだろうと考えたりしております。その事に思い至らない愚かな者たちの行進と受け止めることも可能なんですよね、この作品。
 さて本編。「おとうさま」はホーエンハイムではございませんでした(これは予想済み)が、勢力図のバランスを崩すほどの強さに苦笑。「人であって人でない」というメイ・チャンの台詞を頼りにすれば倒せないわけでもなさそうですが、現在登場中のキャラで対抗できそうな者が見当たりません!・・・どうするんだ、これ(笑)
 とりあえず手札は全てオープンされておりますから・・・、いやまて(笑) OPにご出演中の見たことのないキャラがまだ何人かいますよ? しかも原作はまだ完結していないみたいですし、残り20話ちょっとで完結するのでしょうか? これはあれですか、「完結編は劇場で!」商売かっ!
 でも中途半端に終わらせるくらいならその方が良心的かもしれませんね。今度こそ彼らの旅をキチンと終わらせていただきたいものでございますから。まだ半分ほど「尺」はありそうですから、これは先走り過ぎでしょうけれどね。