鋼の錬金術師 第23話『戦場(いくさば)の少女』

 エドとアルは引き続きスカー戦。一方ブラッドレーとグラトニーに追い詰められるリンとランファン。傷ついたランファンは自らの左腕を代償にブラッドレーの追跡から逃れる事に成功する。エルリック兄弟とスカーが対峙しているところへグラトニーが現れ混戦となるが、そこへリンが追いつきグラトニーを捕らえる事に成功、彼らはマスタングの用意した隠れ家へと急ぐのだったが、というお話。
 なにか急にスピードアップしてまいりましたよ。エドマスタングたちに「ブラッドレーはホムンクルスである」という情報がリンからもたらされた以上そう遠くないうちに激突は必至でしょう。このように緊迫感が増す展開でありながら、メイ・チャンやシャオメイが登場し場を和ませてくれました。あの場面でアルが「ほら、怖くない。大丈夫」と喋ってくらたのなら最高だったのですが(笑) さすがにそこまではしませんか(笑)
 場面ごとに「恐ろしい現実」と「脱力」が交互に現れる。こういった殺伐とした展開になりますとこの「笑い」の描写は普段以上に生きてくると思いました。人間の集中力なんてそんなに続くものではありませんからね。
 と、この作品が面白いことは疑う余地もございませんが、一方で今ひとつ煮えきれないでいる自分にも気が付いたり。原因は分かっておりまして、これは以前も書いたことですが前作を知っている事の弊害でございますね。
 既に前作との分岐点は通り過ぎておりますから、本来であればあの作品に拘る必要はないように思えるのですが、ふたつの「鋼の錬金術師」の違いが明確になればなるほどどこかで引っかかるものを感じてしまっております。・・・困ったなぁ(笑)
 まぁこれは原作の漫画を読んでいる方だとまた違った思いもあるでしょうし、私の「引っかかり」などはその方々からみれば小さいものなのでしょうが。この作品と幸せに付き合えているのは前作も原作も知らない「小さなお友だち」であることは間違いないと推察しております。
 そう考えますとこの時間帯に放送するのは上手いやり方と思えないのですが、録画機器がある現在では意味のない意見でございますね。来週はグラトニー大暴れの回ですか、楽しみでございます。