うみねこのなく頃に 第9話『EpisodeⅡ-Ⅳ skewer』

 相変わらず面白い。作画については現在のテレビアニメの水準から見ると平均点以下の印象を受けますが、テレビアニメというカテゴリーの作品の出来不出来は作画だけから語れるものではない証左のような気がいたしております。
 さて、本編は未だ五里霧中。これは作者の思う壺ですね(笑) その原因は「本編」と「メタ」の入れ子構造(適切な用語か自信はございませんが)ではないかと。視聴者の私は両方を同時に見せられておりますが、それ故混乱してしまうのでしょう。
 ひとつの事象に対してふたつの見方を同時にみせ、さらにその外に私が居るといった構造は視点を意識的にぼかすには効果的でございますね。「メタ」の部分の戦人の勝利条件は「魔法を利用することなく事件を解決すること」なのですが、それとは別に本編内の戦人の勝利条件は「生き残り、犯人を見つけること」
 ひとつの問いに複数の解。
 さらに「画面で(視聴者に)見せたことが事実とは限らない」といっただましも混ぜられておりますから一筋縄ではまいりません。騙される快感とはこのようなものかもしれませんね。実に楽しい作品でございます。