バスカッシュ! 第17話『ジャイアント・ステップ』

 地下の「底」で謎のビックフットと対決するダン。やがて相手の素晴らしさに気が付いたダンはそのビックフットと打ち解けるが、それはビックフットではなく月から連れてこられた巨人のひとり・ナビィだった。そしてダンの前に伝説殺しのプライスが現れて・・・、というお話でした。
 あれ?まるで別番組のような面白い展開になっておりました。どうしたことでしょう(笑)
 これまでも何度かそう感じた事がありましたし、その度に「これから面白くなる」と期待したものでございましたが・・・まあ、終わった話ですね(笑) ただ、今回の変化には確かな理由があったように思えます。それは「ナビィ」の登場です。
 本作の主人公であるダンは「真っ直ぐなバカ」でございます。しかるにここに至るまでその「バカ」を受け止めてくれるキャラがおりませんで、ダンの「バカ」は空回りしていたように思えます。その結果キャラクター間の距離が曖昧であり、各々のドラマの連結も上手くいってなかった様に私には見えて、なかなか作品に入り込む隙がなかったように思えたものでした。
 本来であればダン(の「バカ」イコール「熱さ」)をアイスマン辺りが受け止めてくれていれば良かったのでしょうが、残念ながらアイスマンはそういうキャラではございませんでした。彼のキャラは「受け流す」ことであり、それは他の登場人物の多くも同じでございました。
 ここに至りようやくナビィというダンの熱さを受け入れて「変化」しそうなキャラが登場いたしました。「熱さ」の具体的な「温度」を表現してくれるキャラ、そう、変化してくれて初めてダンのキャラが生きてくるのではないでしょうか。
 それともう一人、完全な敵役の存在としてのプライス。まあこれは必ずしも必要ではないのかもしれませんが、ダンの目の前の壁(乗り越える対象としての存在)としてはあった方が良い存在でしょうね。これも本来であればジェームスかスラッシュ、若しくはファルコンがすべき役割だったように思うのですが、まあ彼らは微妙に役割が違っているのかも知れないのですが。
 どのような物語でも構わないのですが、主人公のキャラを「こうだっ!」と決めた以上、そこだけはしっかりと描いておいて欲しいものです。それがあれば作品世界がどんなに辛くとも(笑) 付いて行くのは容易い事なのですから。
 残りは少ないようですが「バカの熱さ」がどこまで上がるのか、楽しみになってまいりました。