大正野球娘。 第5話『花や蝶やと駆ける日々』

 尾張紀子の離脱によりメンバーが一人足りなくなった東邦星華桜花会は「メンバーが揃うまで」とのアンナ先生による日々の基礎練習にグロッキー気味。このままでは死んでしまう(笑) と、早々補充メンバーを探す小梅たちの前に菊坂胡蝶が現れた! というお話でした。
 足りなくなったメンバー補充に「戦術的視点」を取り入れたることを進言させることで川島乃枝のこのチームでの役割を明確にし、塁間十五間の走塁が重要だと語らせることで知識と実践を結びつかせることができる有用な人物像を浮かび上がらせました。
 「ありきたり」と言えばそれまでですが、ありきたりであろうとなかろうと必要な事はきっちり描いておくというこの姿勢が嬉しいです。こういった細かいところで役割を割り振っておいてくれるからこそ、各々のキャラに個性が付くというものでございますし、視聴者の思い入れも一入というものでございます。
 新メンバー胡蝶。「自分のことは自分が一番わかっている」と強弁いたしましたが、これも若さゆえの過ちですなぁ(笑) ですが、そこは誰しも通る道。袋小路に嵌ったときに救い出してくれるのは自分を見てくれる友人でございます。
 「扉はどこにでもある。あとは自分の意志で開きなさい」とは至言。アンナ先生侮れません。踏み出す胡蝶の背中を押してくれた陸上部の男子教諭も良い人で気持ちが良いです。前向きに生きる清々しさが画面から伝わって本当に楽しいです。
 今回は他に「環は意外に負けず嫌い」「雪は体重を気にしている(笑)」「鏡子は動機は不純だが懸命に頑張る子」「巴はズボラ」「晶子は体力なさ過ぎ」「アンナ先生は道を説く先生」が描かれておりました。静の扱いだけが悪かったですが、まあそのうち(笑) でしょうか?
 少女たちの困難な戦いをユーモア溢れる描写で描く本作は、深夜枠で放送するのは惜しい、「メジャー」の後番組こそ相応しいと思うのですが、それだけが残念でございます。
 あっ、そういえば一点だけ気になる事を書き残しておきます。小梅が店の入り口から家に入ってくるシーンがありますが、経営者の娘とはいえ勝手口から出入りするのが普通なのでは? まあそういたしませんと店内を描く必然性がなくなると言えばそうなんですけど。
 メンバーが揃って次週からは実践訓練でしょうか。とりあえず今日はランニングで陽が暮れましたけど(笑)