化物語 第一話『ひたぎクラブ 其ノ壹』

 BS-JAPANで視聴。「新房昭之」監督の手による映像作品。ここ最近「夏のあらし!」「懺・さよなら絶望先生」と立て続けに新房さんの作品を視聴しておりますが、演出技法は似ているように見えて、でも作品内容に応じて最適化されており、彼の「芸の幅」は思ったよりも広いことを確認いたしました。
 「似ている」とは細かいカットの連続やロングとアップの瞬間的な切り替え、一見意味のないように思える「文字」での情報提示、影と光のコントラストの使用…え〜と他にもあるかな? とにかく誰が演出していても(今回は宮本幸裕さんと尾石達也さん)新房監督のコントロールが効いていることは一目瞭然でございます。
 その是非について論じるほど映像表現について詳しくございませんのでパスいたしますが、ストーリーに食いつくより先に映像に引き(惹き)付けられましたのでこれはこれで。ただしこのやり方は好みが分かれそうではあります。原作を好きな人にとっては許せないかもしれません。
 …ここまで書いてきて、先日「ふたつのスピカ」について書いたこと、「描きたいものがあり、それを実現しようとするなら「借り物」ではなく「オリジナル」で勝負することが創作者の矜持かと思うのですが」を思い出し、一方を認めて一方を認めないという姿勢は厳に慎むべきだと反省。やはり脊髄反射で感想を書くべきではありません。
 さて、反省しながら本編の感想。圧倒的な情報量は逆に最小限のことしか伝えないのだと思うに至ります。…何を言いたいのかと申しますと「基本的な流れはなんとなく分かったような気がする」ということでございます。次回以降を視聴しないとどのような世界を見せようとしているのかがよく分かりませんでした(笑) 完全に煙に巻かれてしまってますね。