夏のあらし! 第12話『時の流れに身をまかせ』

 大団円。取り立てて何が変わったというのでもなく、変わらない日常(?)が今日も明日も続いて行く、過去がそうであったように。
 最終回でありながら大事件が起こるわけでもなく、「今見つけた過去を修復」しに行く「あらし」と「はじめ」で終わらせるのは、「特殊な力は持っているけど、特別な何かをなそうとする訳ではなく、喪った日常を大切に生きている」彼女たちに対するスタッフの愛情…と受け止めるのはいくらなんでも好意的過ぎるでしょうか。
 惜しい、と感じたのは作品の下敷きに「戦争」との係わり合いがあったのですから、そこをもう少し突き詰めてお話を作っていただきたかったところでございましたが、上記の理由からそう大仰なお話にしたくなかったのだろうと解釈いたしました。
 「新房監督だから」といって色眼鏡で視聴してまいりましたし、そこかしこに彼らしい「お遊び」は残っておりましたが、本筋に絡まないところで自重したのはやはりこの作品が好きで、雰囲気を壊したくなかったのでは? と、あくまで好意的に解釈したいと思います。
 「やよゐと加奈子」のコーナーも、この「締め」のための布石だったと考えますと、見事としか書けません。今度は新房監督の「本気」のアニメが観たくなりました。ご苦労様でした。
…えっ!もう一回あるんですか!
 こんなに綺麗にまとめておいて、このあと何を観せようと言うのですか!…なにか嫌な予感がするなぁ(笑)