東のエデン 第9話『ハカナ過ギタ男』

 京都の「えんぞ」(新潟市周辺ではそう言います)は綺麗な水が流れているなー、と全く関係ないことを考えながら板津くんの最期(?)を見ておりました。情け容赦のない描写が緊迫感を増幅させておりました。
 セレソンNo.1の物部とNo.10の結城が滝沢朗を監視するお話。結城は個人的に朗への恨みがありそうでしたが、物部が朗を追いかける理由はまだ謎。抹殺するつもりなら1話の冒頭ワシントンD.C.で朗を見ていた時が絶好の機会だったでしょうから、そうしなかった事も含めて謎。…もう2回で全てが明らかになるかどうかは不明でございます。
 板津が携帯の解析に成功し、謎の一端が垣間見えた瞬間に新たな「霧」が世界を覆うという相変わらず視聴者の興味を引き付けて離さない上手い作りに感心いたしました。
 さて結城くん。何百万もの人間を殺しても自分の理想を叶えようとしていながら、目の前のたった一人の板津を手に掛けることは躊躇うあたり、決定的に覚悟が足りておりませんでした。彼がこのゲームの勝者になることはないと確信した瞬間でございます。
 理想は語るんだけど実行力は伴わない、現実社会に一番多いタイプの人間で、かく申します私も似たようなもの。朗の言う「上がりを決め込んだ大人」ですから仕方ありません(笑) この作品で神山監督は、若者に期待しているけど動こうとしない若者に発破をかけ続けております。
 「アニメで?」ですとか「アニメなのに?」という事は言わないように。何であれメッセージは送れますし、むしろ問題はそれを受け止める感受性があるかどうかですから。媒体が問題ではございません(キッパリ)