クイーンズブレイド流浪の戦士 第8話『暗躍〜牙の暗殺者』

 ミケランジェロの手によるシュスティーナ礼拝堂の壁画が完成したとき、トレント公議会はそこに描かれた裸体を慮ってミケランジェロ弟子の「ダニエーレ・ダ・ヴォルテッラ」に腰布を加筆することを命じ、それに従った彼は後世「ふんどし画家」という不名誉な呼び名をもらうことになってしまいましたとさ。
 先週は2・3カットの「修正」で乗り切った本作でしたが、今回は冒頭を除きますとほぼ全編にわたって修正の雨あらしでございました。歴史に名を残す偉大な画家の作品と本作を比べるのは、「いくらなんでも」でございますが、ネット上で「無修正」のエロ画像や動画が簡単に入手可能な時代に「絵に描いた裸」で「扇情」といわれましても納得はできません(笑)
 しかも本作の場合(今のところなのですが)性交渉を描いている訳でもございませんし、(展開に無理矢理感はありますが)露天風呂で裸は当然、戦闘中に着ている物が破れるのもまた当然でございますから「自主規制」する必要なんてないのでは?
 まあ、世間的には「エロ」に対しての批判は「いかにも」正義がありそうですし、大声で反対することも憚られますから仕方のないことなのかもしれませんが、本作の「エロ」は淫靡なそれではなく健康的な「エロ」ですから世間の偏見と戦ってもらいたい! と、部外者は考えてしまいます(笑) 当事者でしたらそんな事は口が裂けても言わないと思いますが。
 本編。「戦巫女トモエVS牙の暗殺者イルマ」背負うものが重いトモエの勝ち。カットインが効果的でございました。戦闘の(自主規制のおかげで全てを見ることはできませんでしたが)動きも演出もよく出来ておりました。
 複数視点で同時進行という作りですが、さしたる混乱もなく視聴できるのはスタッフが上手いからだと思います。ただこれは一方の主人公「レイナ」の影が薄いからだと思いますし、彼女が「クイーンズ・ブレイド」に参加する目的を意識した時どう処理するのか興味深々でございます。