かみちゅ!第10話『君に決定』

 ゆりえ様が生徒会長に立候補させられたお話。祀の悪辣さによって、ゆりえの「ちょろさ」が改めて浮き彫りになっておりました。
 中学生のとき生徒会に立候補する人たちの気持ちというものが全く理解できなかった者といたしましては、とても身につまされるお話でございました。あんな小さな権力を欲しがったり、何故ああも義務感と申しましょうか使命感と書けば宜しいのでしょうか、そうした気持ちになれる人を理解できませんでした。
 でも考えてみますとあれは学校という特殊環境の中での現実世界との接点。主張すべきは主張し、お互いの意見を交わすという貴重な経験ができる模擬試験だったのかもしれません。そこを斜に構えてやり過ごした人間は、ある意味で社会生活不適合者の予備軍だったのだなぁと、ほんの少し後悔していたりします(笑)
 一方で「神に祈る」という意味を自問するゆりえの描写もございまして、なかなか奥深いテーマが潜んでいたりします。聖書では「神は自ら助くる者を助く」と申しますが、祀の
努力とお賽銭なしのお願いなんて叶うわけないのよ!
 は極論といたしましても、まあ洋の東西を問わず努力もしないものが救われることはないわけでございます。そのゆりえの疑問に対しての答えとしてスタッフが用意したのが、誰かが何かをしてくれるのを待つのではなく、一緒に歩きましょうという(意訳)光恵の感動的な応援演説でございました。この気持ちを中坊のときに気がつきたいものでございました。
 いつにもまして、今回は過ぎし日の至らなさに引き戻してくれたエピソードでした。