鋼の錬金術師 第4話『錬金術師の苦悩』

 己の欲望に負けたタッカーと、その犠牲になってしまったニーナのお話。犠牲になったニーナが最後まで父・タッカーを想う描写が哀しさを増幅させてくれます。・゚・(ノД`)・゚・。
 前シリーズで受けた印象よりは比較的「軽く」進められておりました。もちろん「尺」が許すのであれば丁寧にエピソードを紡ぐという選択もあったと思いますが、限られた時間で「両方」は選択できませんからスタッフはひとつひとつのエピソードを深く描くよりも、全体を通して「なにか」を見せる事を選択した結果なのでしょう。「これも一局」だと思います。
 「錬金術」というものに取り憑かれてしまった者は、大なり小なりタッカーと同じなのだということをエドに見せ、それはすなわち視聴している者に向けての伝言ということでございましょう。エドとアルが歩く道にはこうした悲劇が転がっており、また彼らが「そちら側」に落ちない保障はないのだという示唆を上手く描いたエピソードでございましょう。
 と、頭では理解するのですが「犠牲者」が子供の場合、正直堪えます(笑) 若い頃は「どうせ作りもの」と受け止めていたのですが、歳を取るといけませんね。今回のようにイタイケな少女と健気な犬の場合は特に。エドたちと楽しく遊ぶ描写が辛うございました。しかし、だからこそ伝わるものがあると考えることで心の安らぎを求めている次第でございます。
 「錬金術」という「悪魔の誘惑」に乗ってしまったものは、その代償になにを払うことになるのか。物質を造るときだけが「等価交換」の原理が働く訳ではございません。