鉄腕バーディーDECODE:02 第10話『IT NEVER ENTERED MY MIND』

 「リュンカ事件」の一方の首謀者・タセラを殺した事によってナタルの復讐が最終段階を迎えたお話。そして連続殺人犯(?)の犯人がナタルであったことをバーディーが知ったお話。・・・これはダメかもしれませんね。
 一期の「つとむと小夜香」も悲劇を感じさせつつ、それでもどこかに「救い」が残されていたような雰囲気がございましたが、今回はそれを感じることができません。前回の場合小夜香とリュンカは別人格でしたから、殺した数でいえば小夜香(リュンカ)の方が多かったですけれども視聴中多少なりとも「救い」を感じることができた訳です。
 しかし今回のナタルは強い意志を持って復讐のために「殺し」を犯しているわけですから、この行為に対しどう考えても「救い」は存在できないように思えてしまいます。厳しい物語でございます。こうなりますとナタルの悲しい魂を救える一縷の望みはスタッフだけ(笑) というところでしょうか。
 カペラ、イルマに売られて退場(笑) これといった見せ場もなく、今回は何のために出ていたのか分からないままでしたが、これは3期の伏線と思ってよろしいのでしょうか?
 今回ガトールとモスが米軍を襲撃したシーンを見ていて、7話で感じたことの補足。キャラの速い動きを表すとき、アニメで良く使われる方法はキャラが消えてしまう方法(「目にも留まらぬ」という奴ですね)か、周囲が止まりキャラの動きを相対化する方法かと思うのですが、本作はもうひとつの方法を取ったようです。
 つまり「残像」と申しましょうか、人が速い動きを見た時感じる「歪み」を意識的に表現するとああなるのだろうな、ということでございました。演出家は「人の目で見た時」を選んだということなのでしょう。少なくとも7話の動いているバーディーに関しては、今回の演出を見ていて納得いたしました。
 本作も残すところあと2回でございます。ナタルとバーディーが救われる事を願いつつ(前回と同じ締めですね)。