とある魔術の禁書目録 ♯22『石像(ゴーレム)』

 インデックスと御坂の痴話喧嘩いいなぁ…(笑)
 「熱血」をストレートに表現することが憚られるようになったのは何時からだったでしょう。今回のお話を観ていて本作の前半戦がもたついた印象だったのは、「上条当麻」というキャラクターの魅力が上手く伝わらなかった(もしくは伝えられなかった)ことに尽きると感じました。
 単純に「女の子に優しくて」「正義感が強く」「不正を憎み」「友だちのためなら危険も顧みない」という部分を前面に押し出していてくれたのなら、あの「お説教」も持ち味としてすんなり受け入れただろうと、今回の当麻の活躍を見ていてそう思いました。
 まあ、新作であり色々と説明しなければならなかったことが多かった、原作の改変には躊躇いもあったとは思うのですが、それを割り引いても時間がかかり過ぎたのかな? と感じないわけにはまいりません。この単純なエピソード(失礼を承知で書きますが、それはここまでのどのエピソードも同じで、お話のアイデア自体にはあまり魅力は感じませんでした*1)の中の当麻のなんと魅力的なことでしょう。
 迫り来る敵から「友だち」を守る。その友だちが実体を持っていなくとも「楽しく過ごした時」があるから「友だち」なのだ、だから守る。…実に当麻らしい(上で書いたことと矛盾していますが、そう感じるだけのエピソードを積み上げた、ということなのかもしれません)行動でございました。
 キャラクターがスムースに動き始めますと、物語は急速に面白くなってまいります。この作品に今かける言葉は
こ・こ・に・き・て・か
 ということだけでございます。残すところ2回のみなのが、残念至極でございます。

*1:たただし「作品」としては楽しいエピソードの方が多かった。これはキャラの魅力と「文体」の楽しさからくるもので、私はトータルとして楽しければ「作品」としては「勝利」だと考えております。