獣の奏者エリン 第10話『夜明けの鳥』

 もう十話です、早いなぁ…。エリンとジョウンが街に出てきて、多分これから先関わっていくであろう色々な人たちと出会うお話でした。もう少しジョウンとの「のどかな」日常が描かれて行くのかと思っておりましたが、そうでもないのかもしれません。
 最近では原作を読んだ方の文章を読む機会も増えてまいりまして、それによりますとなかなか厳しい展開がエリンを待ち受けているようでございます。ただ、個人的には原作と違う結末があるかもしれないと考えております。
 神山監督の「精霊の守り人」は原作の大筋は守りながらも、原作の違うお話からエピソードを持ち込んだり、キャラクターの性格を変えたりと各所で大胆な改変、脚色が施されておりました。続編を作るつもりがあったのならこれは上手いやり方ではなかったと思いますが、一作限りで完結させるつもりであれば、今でも実に見事な再構成だったと考えております。
 で、このやり方に原作者の上橋さんがご立腹だったのなら、自身の作品のアニメ化を許可するとも考えにくく、まして同じ制作会社の「I.G」にアニメを作らせるというのも疑問があります。ただし、「大人の事情」ですとか「再戦としてのアニメ化」であれば違うのでしょうが。
 今回は「アニメーション監修」としてクレジットされておりますから(関与の程は門外漢ですから分かりませんが)、原作者自ら色々と変更に力を貸しているのではと考えております。…と申しますかあまりエリンを酷い目に合わせて欲しくないですからそんな期待をしている訳でございます(笑)
 「この時代のハイジ」のような作品を志しているようですが、現状「マルコ・ロッシ」くんですし、行きつく先が「ネロ」くんということだけはなんとしても回避してください(笑)
 今回はエリンとイアルと猫とタガルを絡めて「母親」の存在を描いた面白い構成でした。面白いというより「凝った」と書くべきでしょうか。これで一話使ってしまうことが出来るのも、4クールの長丁場だからでしょう。この利点を最大限に生かした作品になりそうでございます。