とある魔術の禁書目録 ♯20『最終信号(ウィルス・コード)』

 チビミサカを確保した天井は、学園都市外に彼女を連れ出すことに失敗、「一方通行」に追い詰められた。その時彼女に仕込まれたウィルスが発動し、「一方通行」は己の能力を使って発動を押さえ込もうとした、というお話でした。
 当麻くんが出演していなくても長台詞は相変わらずでございましたし、状況説明も心理状態も台詞で語らせる手法には慣れない部分もございますが、これくらい短いお話ですとそれも余り気にならなかったりいたしますから不思議です。
 誰かを救うことで汚れた魂を救ってもらいたかった「一通」くんの叫びがメインだったお話なのですが、こうしたエピソードを拝見いたしますと、このキャラは「ミサカ」と同じ位作者に愛されているのだろうと推測いたしました。番外編であっても「主役」でしたし、過去の行状を帳消しにしかねない「良い人」へクラスチェンジもできましたし(笑)
 登場して来た色々な個性をもったキャラクターに、ようやく存在感がでてきたところでもうすぐ終了のようです。これらのキャラが縦横無尽に動き出せば大変面白いお話が作れそうな気がいたします。せっかく温まったエンジンが真の力を見せることなく火を落とすのは、いかにも残念。
 ここまでの印象としましては「壮大な予告編」を見せられている、というのが実感。残り話数で「記憶に残る」素晴らしいエピソードが拝見できたら嬉しいのですが。