キャシャーンSins 第21話『失望の楽園』

 「癒し」を行うルナに不審を抱いたキャシャーンはその場を去ろうとした。しかし「滅び」と「再生」の間でキャシャーンの心は揺れ動いていた、まあそんなお話でした。端折り過ぎですが。
 以下今回のお話を観ていて、今更ながらの感想です。「新造人間キャシャーン」という作品を下敷きにしていますから、登場人物の大半が「ロボット」(アンドロイド?)であることは必然だったのかもしれませんが、こうした「生」と「死」の問題を扱う作品ですと人間の方が適していたのではと感じてしまいました。
 かといって「不死」という存在を人間に担当させますと「超自然」の色が濃くなってしまいますし(「ロボット」も超自然ですが、「テクノロジー」の延長線上ということで。この場合「オカルト」と書いた方が正しいのかもしれません)、それはスタッフの意図するところではないのでしょう。
 ですから本作の「ロボット」は「人間」の代替として描かれているものだと思いながら視聴してまいりましたが、それだと意味の通じない部分も多々ございまして、そこは適当に脳内補正しておりました。今まではそれでもなんとかなったんですよ(笑)
 でもこの終盤、最期の場面が迫っているここに来まして補正しきれなくなってまいりました。細かいところはともかくとして(いや、むしろ細部の方が問題なのですが)、最大の問題は「感情」でございます。
 登場するキャラが人であれば心の揺れなどはすんなりと受け入れられるのですが、ロボットであるキャシャーンやリンゴ、リューズやオージの心の葛藤を見るにつけ「ああ、これが人間の描写であれば」と思わずにはいられませんでした。
 そうした違和感を覚えながらここまで「キャシャーンの旅」を見続けて来たわけですが、それはそれ、これはこれ(笑) 「血」を与えて人々を救うルナは「神」なのでしょうが、「人」のキャシャーンはそれをどう受け止めるのか。これが最期の山場でございましょう。