獣の奏者エリン 第5話『エリンと卵泥棒』

 「獣の医術師は獣のためにあるものじゃない。獣と共に生きる人のためにあるものなのよ」というソヨンの台詞が今回の全て、…かな? 上橋さんの小説がただのファンタジーでない証拠はこういうところだと考えております。原作は読んでませんが(笑) 観念的な善悪ではなく厳しい現実と向かい合って生きて行く。いい話でした。
 本作ではアニメーション監修まで務める上橋さんは「目指せ世界名作劇場!」だそうですから(こうは書いてありませんでしたが、心意気はこうなのだろうと個人的に推測)ここまではその狙いが成功していると思います。あのシリーズも後になるほど「甘さ」が目に付きましたが、どうせなら初期の作品の持つ「厳しさ」をこのまま踏襲していただきたいものでございます。
 大人から見ますと今回の卵泥棒コンビは若干「抜け」過ぎているようにも感じましたが、それこそ「緩急」なのかもしれませんし、子供にはこれくらいの笑いは必要なのかもしれないと熟考。CVに藤原啓治さんを起用しているのは今後も登場する事を見越した起用でしょうか。そうだとすると、あのコンビが必要なくらい厳しい現実がエリンの身に降りかかってくるという示唆かもしれません。今からそれが心配です(笑)