鉄腕バーディーDECODE:02 第1話『AFTER ALL』

 リュンカ事件一ヶ月後から再開です。考えてみますとこれが半年後でしたら、つとむの体の修復は終わってバーディーと「二心同体」である必要もありませんし、あくまでもこの状態でお話を進めようとするのでしたらこの時間経過は適切なのでしょう。そして物語は「リュンカ事件」の後始末からスタートするのですが…。
 常識的に考えてあれだけの大災害が一ヶ月で修復できるはずもなく、そこで瓦礫のままの都市の描写をはさみ「つとむ」のやりきれない心情を表すという、前シリーズからの丁寧なやり方が損なわれていなくて安心致しました。ほんのわずかなことですし台詞だけで説明した方が楽だと思うのですが、そういうところに手を抜かない本作スタッフに感謝。大げさですが「神は細部に宿る」とも申しますし、ね。
 脱獄(まだ収監されていなかったのだから「獄」ではありませんが)、謎のアルタ人ダスクの手助けで変装して地球に潜伏。一方バーディーはその囚人たちの逮捕を命じられ、その中の一人リアンシェルの潜伏先へ駆けつけるが一足遅くリアンシェルは謎の人物によって殺されていた、というのが一話の大まかな筋でした。
 今後の展開が分からない段階で書くのもなんですが、この謎の暗殺者を描写しなかった方がサスペンスとしては盛り上がったのでは? と記しておきます。もちろん描写していても謎の人物であったことには違いませんが、顔を晒さないでいれば緊張感を持続できるような気がしたものですから…。ただこのアニメ版バーディーという作品は、前シリーズもそうでしたが「青春もの」というのが本質だと思っておりますので、スタッフはSFやサスペンス方面だけに重きを置くようなことをしたくないのかもしれません。
 バーディーの幼馴染ナタルや前作のカペラも出ておりまして、これらのキャラとバーディーがどう絡んでゆくのか。安定した作画とスピード感のある演出を拝見できて初回から満足いたしました。